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用語解説

  JABION用語辞書

RNA
アールエヌエイ
RNAは、ribonucleic acidの略。DNAと同じ核酸の仲間で互いによく似ているが、主な違いとしては(1)塩基はアデニン(A)、ウラシル(U)、グアニン(G)、シトシン(C)(DNAではウラシルの代わりにチミン(T)が使われる)、(2)糖はリボース(DNAではデオキシリボース)、(3)一本鎖(DNAは二重らせん)、という3つが挙げられる。
また、RNAにはメッセンジャーRNA(mRNA)、リボソームRNA(rRNA)、トランスファーRNA(tRNA)という3種類がある。mRNAは、DNAそのものをコピーしたもので、これをもとにタンパク質が作られる。rRNAは、タンパク質を合成する場であるリボソームという酵素を形成する。tRNAは、タンパク質を合成する際に必要な材料(アミノ酸)をリボソームへ運ぶ、いわばトラックの役割を果たしている。

感染症
健康に被害を与える微生物を、病原微生物という。感染症とは、病原微生物が人体に取り付き、侵入する事を感染、それによって引き起こされる病気のことをいう。病原微生物には、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫が含まれる。最近話題となっているプリオンはタンパク粒子であるが、それが原因となって起こるBSEも感染症の1つと考えられている。近年、世界的にエイズ、SARS、鳥インフルエンザなどの新興感染症に加え、マラリア、結核などの再興感染症が流行し、わが国でも社会不安を引き起こしている。今後その対策研究には、医学、獣医学、生物学と幅広い分野の相互協力や人材の確保が必要とされています。

クローン
クローンとは、「遺伝子が同一である個体あるいは細胞(の集合)」である。クローン技術は、食料分野や医療分野など身近なところへの応用の可能性があり、例えば、肉質の良い牛や乳量の多い牛の大量生産、病気の治療に必要な医薬品を乳の中に分泌する羊の大量生産などが考えられている。また、トキ、サイ、パンダなど、絶滅の危機にある動物の絶滅を回避できる可能性もある。現在、わが国では人のクローン個体の産生等は法律で厳しく規制されている。人クローン胚の取扱いについても法律に基づく指針によりその作成、利用について当分の間行わないこととするとされているが、平成16年7月に総合科学技術会議で「限定的に容認する」とされたため、その適正な取扱いを確保するためのガイドラインの策定に向けた検討が開始されている。

ゲノム
ゲノムとは親から子へ伝えられる遺伝情報の全てを示す。ヒトの場合23本の染色体上にのっている。どの細胞も、例外を除いて1セットのゲノムを有しており、ゲノムが引き継がれることで、細胞の活動が維持されることから、生命の設計図と呼ばれる。

再生医療
再生医療とは、機能不全に陥った臓器や何らかの原因で欠損した組織を再生、回復させる医療をいう。現在治療が困難な病気に対する治療法の開発や、移植医療におけるドナー不足、拒絶反応といった諸問題の解決策として期待されている。皮膚や骨、血管、神経、その他各種組織・臓器の再生が研究されており、一部は実用化されている。近年、ES細胞や各種組織幹細胞の発見により、これらの細胞を用いた組織再生の研究が国内外で盛んに行われている。

システムバイオロジー
システムバイオロジーとは、バイオインフォマティクスの研究分野の一つであり、生物内のはたらきや現象(システム)を工学的なシステムとしてとらえ、主としてコンピュータ上で再現させようとする研究分野。

SNP(スニップ)
SNPはSingle Nucleotide Polymorphism(単一塩基多型)の略。個人の間でDNAを比べたとき違いの見られる一塩基。同じ種であっても個体ごとでゲノムの塩基配列が異なり、ヒトでは500~1000塩基に1個の頻度で見つかる。

タンパク(プロテオーム含む)
タンパク質とはあらゆる生体細胞の主要原形質成分で、生命の源になる物質。種々のアミノ酸が結合した天然の高分子化合物。プロテオームとは、“protein”(タンパク)と“-ome”(集団、塊り)の合成語。細胞内の全遺伝子を意味するゲノム(genome)に対して、細胞内(外)の全タンパク質を示す言葉として作られたもの。

DNA(ディーエヌエー)
DNAとは、デオキシリボ核酸(DeoxyriboNucleic Acid)のことで、遺伝情報を担っている化学物質。通常二重らせん構造をとって、A(アデニン)、G(グアシン)、T(チミン)、C(シトシン)の4種類の塩基がお互いにペアを作っている。

テーラーメイド医療
テーラーメイド医療とは、個人個人の遺伝情報の違いを、SNP(上述)解析により見出し、その情報をもとに、薬剤応答性や副作用のリスク回避し、がん等疾患の特性などを考慮し、個人毎にもっとも適した処置を行うことができる医療。(個人医療(personalizedmedicine)ともいう。)

糖鎖
糖鎖とは、グルコースなどの単糖が鎖をなしているもので、よく「細胞の顔」と言う表現が使われることがある。 その役割は、糖鎖がプロテオグリカン、糖タンパク質、糖脂質として細胞膜内に埋め込まれ、細胞の表面にひげのようにでて、細胞間のコミニュケーションのシグナルを担ったり、がんの転移、ウイルスの感染に関わるなど多様な働きをもっている。

トランスレーショナルリサーチ
トランスレーショナルリサーチとは、基礎的研究成果の中には、臨床応用化が図られることで画期的な医療技術が実用化されるものがあり、それらについては、試験的に臨床応用を図ることが必要となる。特に、がん研究では、客観的に妥当と考えられる科学的な実証法による動物実験(非臨床データ)の成果に裏打ちされ、動物実験が終了した基礎医科学研究で得られた成果をヒトに適用する実験的医療をさし、企業がGCPに基づいて実施するものを除き、early PhaseⅡまでの研究者オリエンテッドな臨床研究を指す。

バイオインフォマティクス
バイオインフォマティクスとは、生物学と情報科学が融合した学問分野。生物情報科学などと訳される。ゲノム情報のデータベース化のみならず、情報科学の手法(コンピュータによるシミュレーション等)によって、生物あるいは生物現象の基本原理を探ろうとするもの。

バイオリソース
(生物遺伝資源)
バイオリソース(生物遺伝資源)とは、研究開発のための材料として用いられる生物系統・集団個体、組織・細胞、DNAのこと。研究者の研究開発活動を安定的、効果的に支える知的基盤として、ライフサイエンスの研究にはきわめて重要である。

ヒト胚性幹(ES)細胞
ヒト胚性幹(ES)細胞とは、「ヒト初期胚から採取された細胞又は当該細胞の分裂により生ずる細胞であって、全能性を有し、かつ、自己複製能力を維持しているもの又はそれに類する能力を有することが推定されるもの」をいう。(ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針より)

分子イメージング
分子イメージングとは、生物が生きたままの状態で、生物を構成するタンパク質や酵素などの様々な分子の動きや働きを画像化し、観察する技術である。特に、ヒトの体の中で起こっている反応を体を傷つけずに見ることで、早く正確な病気の診断や薬の効果の検証が可能となる。例えば、ポジトロン断層撮影法(PET)による画像で小さながんの診断ができるようになり、急速に日本中に広まっている。

免疫・アレルギー
免疫とは、一度感染した病原体に対して強い抵抗性を獲得し2度目の感染に対して生体を防御する反応をいう。また、アレルギーとは、ある抗原に感作されている生体に、もう一度その抗原が入った場合に起こる強い反応性を示す状態をいう。主なアレルギー疾患として、スギ花粉症や喘息があげられる。